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赤坂の社労士事務所

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社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

会社に元気をもたらす会議

経営

 「会議」という言葉に、どういったイメージを抱かれるでしょうか。
 会社経営には会議は必要なのでしょうが、その一方で会議に「ムダ」を感じている社員が多いのも事実です。

 会社にはさまざまな慣習、決まりごと、行事などが存在します。たとえば、朝礼、定期的に行われる発表会、社員旅行や全員参加の懇親会・・・といった具合です。
 そうした会社の中で行われるさまざまな決まりごとには、一つひとつ意味があります。
 少なくとも開始当初には意味があった「はず」です。
 ところが、時間が経つにつれて、当初あったはずの「意味」が見出されなくなっているケースも、また珍しくはないのです。
 そうした「行事」の代表格として挙げられるのが会議です。

 A社は食品関連資材の販売を主業務とする会社です。
 A社の会議といえば、連絡事項や仕事の進捗報告ばかりで、時間にして30分程度。そもそも社長が会議を重要視していませんから、出席者が全員揃ったところで社長がおもむろに席に着くというのがお決まりの風景だったといいます。
 社長がそうした態度ですから、当然、社員も会議を軽視していますし、熱が入るはずもありません。そのため、A社では会議で何かが決まるということが皆無で、重要な決定はすべて社長と幹部によってなされます。その決定が順次、ピラミッドの下へと伝わっていくのが常でした。

 こうした状況からA社長は会議はムダな時間を費やしているに過ぎないという思いがありました。しかし、一方で仕事を進める上で避けては通れないのが会議であるなら、有意義な結果を得たいものだとも考えていました。
 A社長が思い至ったのは、「会議がムダなのではなく、悪いのはそのやり方ではないか」ということだったそうです。「そうであればまず、会議のやり方を変えよう」と決心したのです。

 その後の会議は出だしから違っていました。開始時間を過ぎて集まり出した社員は、社長の姿を認めると慌てて席に着きました。
 そして全員が揃ったことを確かめた社長は開口一番、「手元の紙に我が社がこれまでやり遂げたことを三つ書いてください」と告げました。
 出席者が面食らったのは言うまでもありませんが、それ以上に会議室を覆っていたのは緊張感であったといいます。そして、書き終わったのを確認し、一人ひとつずつ発表するよう求めたのです。
 そして現状の問題点を洗い出すためにメモ→発表という手順を繰り返し、出揃った意見をA社長自ら「どうしたら~できるか」という形に置き換えていったそうです。
会議が進むにつれて、各人のやるべきことが徐々に明確になっていったそうです。

 元々、A社長が会議を毛嫌いしていたのは、サラリーマン時代の会議が、目的が<話し合い> になっていたのが原因だったと今にして分かったといいます。
 新たな会議では、「例えば、資金繰りが悪い原因を考えた上で、仕入先や取引先と交渉する順番まで決める」というレベルまで落とし込んだのです。
 つまり、後者であれば各人の役割が明確に見え、具体的に<行動できる状態>になるというわけです。

 A社に起こった出来事を考えると、会議を変えるということは、単にムダな時間を省くということに止まらず、会社に元気をもたらし、根本的に組織を変えるほどの可能性を秘めているのではないかと思えるのです。

 会議はやり方次第で、社員のやる気を引き出すことも可能です。会社が前へ前へと進んでいく推進力を会議においてぜひ発揮させたいものです。そのためには、会議のあり方を定期的に見直してみることも重要なのかも知れません。  

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