6f62966b1de45c12514a6c6fa30f94fb_m-1
赤坂の社労士事務所

福岡市中央区赤坂の社労士事務所「赤坂経営労務事務所」の
COLUMNです。
労働・社会保険の諸手続や助成金活用、給与計算、就業規則の
整備、評価・処遇制度の構築など、人に関わる分野から経営を
サポートいたします。
社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

問題児と隠れている逸材

人事・労務

 現在の「問題児」は以前と違い、遠慮がありません。会社の規則の不備や労働法などを盾に自己主張し、それが想像以上に大きなトラブルになることもあります。
 一方、地味に組織を支える「逸材」には、案外気付かないこともあります。逸材と問題児を早期発見することが急務ですが、何にもまして、まずは「問題児」が組織をかき回さない体制が必要です。


 確かに「問題児」は以前からいました。それは、たとえば遅刻の常習犯とか、就業時間中にインターネットで遊ぶなど、困った習性を持つ問題児から、仕事をなかなか覚えないなどという業務遂行上の問題児まで、様々だったと思います。
 こうした問題児は、以前から、組織に抱えるだけでも重荷だったかも知れませんが、それが最近、重荷どころではない大トラブルを引き起こしているというケースが増えているのです。
 ある会社では、仕事中にインターネットで遊ぶA君に厳重注意をしたところ、「サイトへのアクセス制限をしていない会社が悪い」と反論されたそうです。しかも、それ以降アクセス制限をしなければパソコン業務をしないなどと、信じ難い発言を繰り返すため、「それなら辞めろ」と、社長が怒鳴ってしまったのです。
 その後、数日間の無断欠勤を経て、不当解雇の、損害賠償、慰謝料の請求書が送られてきたそうです。10年前には誰も信じなかった事件でしょう。

 仕事の覚えが悪いB君に、週に1回、夕方2時間の技能アップの指導をしていたら、2ヵ月も経過しないうちに、「残業代を要求」されて、腰を抜かした社長もおられました。
 できない人にする「教育」です。しかもその内容には、パソコンの使い方まで入っており、B君の個人的な技能アップにつながります。しかし、週に1回、2時間拘束されたとB君は後に引きません。
 逆に、思いもよらない「逸材」の話もあります。ある事務用品卸の会社で、事務員として働いていたCさんがいました。ところが最近の事務用品の競合激化を受けて、Cさんの仕事は減るばかりです。特に、電話を各担当者が携帯で受けるようになって、Cさんには、午後は全く仕事がない日が週に2~3回できるようになったのです。
 しかし、Cさんは仕事歴も長く、いざという時の顧客対応力もあって「解雇」は考えられません。経営的には短時間契約に移行してもらいたいのですが、今までの貢献もあり、社長はなかなか言い出せませんでした。

 そんな時、Cさん側から逆提案がありました。それは、近所に古着ショップができたので副業させて欲しいというのです。聞くと、週に3回、午後から夕方まで、ショップの店員を務めたいということです。
「お世話になった会社に、できるだけ負担をかけないようにしたい」とまで言われ、社長は号泣してしまったのだそうです。
 Cさんは接客が好きなようで、今もふたまたをかけながらがんばっています。
 問題児は、問題を起こしたりする以前に、日常的に1つの傾向を示すことがあります。それは、叱ってみた時にすぐに分かることです。
 問題児は、事実確認などそっちのけで、言い訳に走ったり、一生懸命やっていると主張したりする姿勢に留まることが多いのです。

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.