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赤坂の社労士事務所

福岡市中央区赤坂の社労士事務所「赤坂経営労務事務所」の
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社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

入社半年で評判が逆転した2人

人事・労務

A社では、昨年2人を中途採用しました。両者とも年齢は20歳代の後半で、採用試験でもほぼ同等の成績でした。

入社後、B君は素直で明るいため最初から組織に溶け込む一方で、C君はやや扱いにくいところがあったのです。そのため当然期待はB君に集まり、C君はむしろ先行きが心配されたほどでした。
それが半年強のうちに、社内の評判が逆転してしまいました。素直なはずのB君が問題児で、難しかったC君に期待が集まっているのです。

最初の頃B君が好評だったのは、失敗した時でもさわやかだったからでした。仕事上の勘違いや、データのとり違いがあっても、B君は、すぐに謝り反省が深いように見えたのです。
逆にC君は、叱りつけてもむしろ黙ってうつむくばかりで、反省しているのかどうかさえも分かりません。
しかしその後、B君は同じ失敗を何度も繰り返す一方、C君は急速に仕事を覚えて行きました。そして間もなく、それが調子のよいB君としっかり者のC君という評価として定着して行ったのです。
その社内評判の変化には人材指導に関する重要な課題が隠されていると、社長は言われるのです。もしそれに気付かなければ、将来性のあるC君タイプの人材を初期につぶしてしまいかねない一方で、人当たりの良いB君を過大評価して、結果としてダメにしてしまいかねないからだそうです。
単純に言って、今の自分を守って自分の殻に閉じこもるより、自分の殻を破ろうとする人材の方が伸びることは誰もが認めるところでしょう。
B君にとって大事なのは自分がどう思われるかということです。
B君は嫌われたり叱られたりすることが、極端に耐えられないのでしょう。だから上司が叱ると、それを早くやめさせようとして、素直に反省している素振りを見せるわけです。それは叱られることから逃げているに過ぎません。
一方C君は、自分の失敗が悔しくてしかたがないのでしょう。そのため、過去の失敗を隠すことよりも、将来同じ状況になったら、今度はうまくやろうという方向に意識が行きやすくなり、そのため上司の叱責を「自己改良のための情報」として聞いているわけです。
自分の感覚だけでは、実際に自分がどんな失敗をしたかを十分に把握できているかどうかさえ分かりません。ところが、その姿勢が時に、上司には生意気に見えますし、叱り続けなければならないストレスで、C君を過小評価する傾向をも助長してしまうのです。
社長のお話は以上のとおりですが、その最大のポイントは、部下を叱る時には、
表面的な反省ではなく、失敗などの状況をいかに把握したかに注意を向けなければならないということです。


つまり問題は、褒めるか叱るかではなく、その人材に今のままでは役に立たないから、もっと能力アップをはかる必要があることを自覚させることなのでしょう。

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