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赤坂の社労士事務所

福岡市中央区赤坂の社労士事務所「赤坂経営労務事務所」の
COLUMNです。
労働・社会保険の諸手続や助成金活用、給与計算、就業規則の
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社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

Eメール時代の“ほうれんそう”

人事・労務

 就業時間中に、社内にいないことが多いN社長は、それでも従業員とのコミュニケーションを絶やさぬよう、Eメールで報告や相談をさせていました。
  どんなに時代にも、
  ほうれんそう(報告・連絡・相談)が仕事の基本
であることに変わりはない、というのが社長の持論だったからです。
しかし社長のメール量は大変なものでした。夕方帰社し、全メールに目を通して返事を書き切るまでに、深夜になってしまう日もあります。
 そんな中でさえも、ある事件がおきました。
 『後でメールしておきます』事件
 ある日、深刻な顧客トラブルを起こした管理者を、問いただすと、36歳になる管理者は、
     その件ならメールをしました
と言うのです。『メールではなくて、報告しろ』と叱ると、『後でメールを転送しておきます』と聞きません。
 会議のテーマとして話すのだから、と更に叱責すると、社長の激怒に困惑気味で『口頭では正確な報告ができない』と言い張ります
 社長はしばらく考えた後、ある一つの結論に達します。それは、
メール報告で何でも分かっているつもりだった。しかし、そのメールを書いている管理者が、書き終わったらすっかり内容を忘れている。そんな実態が見えていなかった…というものです。
 文字だけでは“ほうれんそう”は育たない」
 そう言えば、直接、報告や相談を受けていた頃は、相手の様子や顔色が分かりました。同じ話でも、その語調で、自信があるのかないのか分かります。時には嘘も見抜きます。
 そんな社長の無言のプレッシャーが、ある種の権威を生み出し、報告者や相談者には、その内容に責任を負わなければならないという気持ちが増すのです。不思議なものです。
 人と人との接触には、多数の“暗黙のコミュニケーション”があるのに、メールでは発信者の都合の良い言葉だけしか残らない…、問題は、そこにありました。

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