一般に時間外労働というのは、「所定」時間外労働を指しますが、時間外労働に対して割増賃金を支払わなければならないのは「法定」の時間外労働です。
従って1日の所定労働時間が7時間30分の会社の社員が時間外労働をする場合は、法定の1日8時間に達する30分間については、割増賃金の支払い義務は生じません。
この部分については割増を要しない、通常の賃金を支払えばよいことになります。
通常の時間当たりの賃金については、賃金規程に定めることになりますが、計算方法は、「月給額/1カ月平均所定労働時間」で算出した額です。
ここで注意を要するのは、会社が就業規則で「所定労働場間を超えて」勤務を命じた場合は割増賃金を支払う、というような条文で割増賃金の支払いを定めると、法定の8時間までの30分についても割増賃金の対象になることです。
次に、実務上よく疑問をもたれるのが、遅刻した社員が終業時刻を越えて仕事をすることになった場合、その超えた時間は時間外の割増賃金を支払わなければならないかということです。これは、実労働が8時間を超えるまでは、割増の必要はありません。
これで割増となるのなら、同じ8時間働くのに遅刻した方が賃金が多いという不合理なことになってしまいます。
法定休日労働以外の休日に対する割増賃金については、1週の法定労働時間40時間がキーワードになります。
1日7時間、土、日が休日の会社で、土曜日に休日出勤した場合、1週間の所定労働時間は35時間になります。
従って、土曜日の5時間までは割増を支払わなくてよいことになります。
但し、このような取り扱いも就業規則の定めにより、変わってきますので就業規則を今一度ご確認ください。
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赤坂の社労士事務所
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