経営環境が激変しています。
このような時代には、採用にしても教育にしても、考え方が異なってきます。
つまり、どのような能力を持った者が「人材」なのかという問題です。
この点、「人材」というと、「専門的技術・スキルを持った者」と考える人が多いのではないでしょうか。
一つケースを紹介します。
「担当を替える、と言ったらやめる、と言う社員がいるのです。」
その会社では、中途採用をすると特定の担当にしてそのまま替えたことがないというのです。その会社では管理者も育っていなかったので、休憩時間が過ぎても従業員がおしゃべりを続けてなかなか仕事に取り組もうとしない、という体質の会社でした。
「担当」を替える必要が出てきたのは、次のような事情です。
ITの導入で従来2人で行っていた仕事が1人でできるようになったのです。するとどちらかの仕事がなくなるのです。そこで他の担当にせざるをえなくなったのです。
ところが「担当を替えるなら辞める」、というのです。
その仕事がなくなるのですから、そんなわがままを通せるわけもありません。
「別の担当ではイヤだというのなら辞めてもらっても仕方ないでしょう」、ということでその社員に言い渡したら、辞めないで別の作業をしています、ということでした。
無理は通らない、とその社員は悟ったようです。
生産性を高めるために、仕事も進化していきます。生産性も向上します。とこ
ろが、従来の仕事に慣れているから前の仕事の方が良い、といっているのでは競争に負けてしまう事になります。
ですから、「多能工」が望ましいのです。
採用の場合も同じです。
柔軟にいくつもの仕事を修得してこなせるような人が望ましいのです。
この理屈は、現場の多能工、また採用の場合に留まらないで、社員の能力も同
じです。
経営環境は激変しています。
すると、専門能力を持っているからと、その能力に固執しているのでは新しい
ビジネスチャンスに適応できなくなってしまうのです。
ですから、臨機応変に自分の能力を開発・発揮できる人間こそが望ましいので
す。
そのような社員を育成するためには次の点を考慮する事が必要です。
・多くの出来事に興味を持たせる
・新しい事に興味を持たせる
・定期的に人事異動を行う
・視野を広げさせる・・・研修が有効