会社が成長していく上で、経営における人事管理が重要な位置づけであることは疑う余地はありません。
しかし、ヒトが重要な経営資源と言ってきたにもかかわらず、ヒトに対する管理手法やその考え方にはスタンダードはありません。
自社の人事管理が他社より優れているかどうか、世の中一般の基準から見てどうなのかを比較判断する指標がありません。
等級という言葉にしても、それが指し示す範囲は会社によってバラバラです。
なぜそうなったのかというと、人事管理は定性的で、定量化しにくいこともあるのではと思います。
会社は労働生産性や売上生産性など生産性に関する指標を持っています。また事業戦略とボリュームが決まっていれば、必要な人員数も理論的に出せます。過去の労働分配率から考えれば、今の労働分配率がどうかもすぐに分かります。
「本来の適正な人件費はいくらなのか」「将来予測はどうなるのか」など、きちんとした指標や形にして提示してはじめて人事の問題が何なのかが見えてきます。
人件費が適正か、人員数が適正か、人員構成に問題はないか、賃金レベルは適正か、目標管理がきちんと機能しているか、将来の人件費・人員構成に問題はないのかという視点から、人事を見える化し、合理的な人事施策の構築を実現することが必要だと思います。
そのために人事の定量分析は重要な経営ツールの1つといえます。
現在のようなめまぐるしく変わる経営環境の中では、重要な人事施策の意思決定をする上で、体感的・直感的・目分量的な課題把握ではなく、人事をより定量的にアプローチすることが必要だろうと思います。
人事の定量分析
