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赤坂の社労士事務所

福岡市中央区赤坂の社労士事務所「赤坂経営労務事務所」の
COLUMNです。
労働・社会保険の諸手続や助成金活用、給与計算、就業規則の
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社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

給与明細は宝の山

人事・労務

毎月もらっている給与明細をどのように扱っていますか。
とりあえず支給額を確認するだけで、ゴミ箱へ直行というケースが多いのではないでしょうか。
勿体ない話しです。
給与明細には、生活や人生に関係する重要な項目がたくさん詰まっているからです。
労働時間、残業代の計算、有給休暇のつけ方など、給与明細を通していろいろなことを知ると、「働くルール」のことがよく分かるようになります。
例えば労働時間について、
午前9時が始業時刻となっていても、8時45分から全員でラジオ体操をする場合があります。
このラジオ体操の時間は労働時間なのでしょうか。
結論を言えば、ラジオ体操が強制の場合は労働時間になります。朝礼も同様です。
8時50分から全体の朝礼を行い、9時から仕事をスタートするような場合で、朝礼が強制参加であれば労働時間に含めなければなりません。
制服や作業服がある会社で、服を着替える時間についてはどうでしょうか。
9時が始業時刻として9時に出社して制服に着替える時間は労働時間に含まれるのか、それとも遅刻扱いになるのかという問題です。仮に着替えに含まれる時間が労働時間に含まれないとすれば、8時50分に出社し、更衣を済ませて9時から仕事をする必要がでてきます。
更衣時間に関しては、最高裁判所で争われた例があります。裁判所の判断は、「更衣の時間は作業に適した服装で労務を提供する義務があるため、本来は労働者側のものであり労働時間には当たらない」
しかし、これとは別の判断も最高裁で下されています。
衛生上の問題から特定の作業服に着替えなければならない場合では、着替えの時間も労働時間に含まれるとしました。
このように労働時間だけを取り上げても、色々なことを示唆しています。
さらに消えた年金問題では、ゴミ箱に直行させずに大切に保管していたことが、貴重な証拠になったのです。
また、給与明細は、世の中の仕組みを知るきっかけを与えてくれます。
そこには、病気になった場合の健康保険の保険料や、定年後の生活に大事な厚生年金の保険料を天引きする項目があります。その社会保険料はどのようなルールで引かれているかご存じでしょうか。
所得税や住民税も天引きされますが、なぜ、税金がその金額になつているのか知っていますか。
これらのことが分かれば、生きていくうえでの知恵が身につきます。
働くルールが分かり、その上、人生の知恵が身につくのですから、給与明細は「宝の山」といっても言い過ぎではないと思います。

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