部下を教育するということは、突き詰めれば褒めるか、叱るということです。
人は、物事を快か不快(好きか嫌い)かで判断しています。快と感じる物事にはとても積極的になりますが、不快だと思ってしまえば消極的になり、やる気を発揮してくれません。
部下を指導するというのは、この快と不快のバランスを見極めなければならないことなのです。
8割褒めて、2割を叱り、人は褒めて育てよという人もいます。
逆に、8割り、2割を褒める。さらに叱るときは震え上がるほど叱るのが良いという人もいます。
叱り方は動機付けに重要な役割を果たします。
部下を叱る時に、あなたは何を求めているでしょうか。
失敗をした時に、日本人はまず謝罪の意を示す事が重要だと考える方が大部分だといってよいでしょう。
そこで部下が失敗した時に、「謝っているかどうか」を重視する管理者もいます。謝れば「悪い事」と思うから同じ失敗はしないだろうと思うからでしょう。
しかし、多くの場合は、また同じ失敗をしてしまうのです。
この場合、「何」が欠けているのでしょうか。
それは「謝らせる事」ばかりに意識がいって、「原因と対策」に意識が行っていないからです。
例えば、営業会議で目標未達だった場合でも、未達を叱られたら頃合いを見て「今月こそは頑張ります」と言えば「良し、頑張れよ」と、叱責が終わる場合が多いのです。しかし、またその月も未達となる場合が多いのです。「原因解明・対策」が行われないからです。
ですから、叱る時には次の点を留意する必要があります。
同じ失敗をしないように、あるべき方向に向かって行動を開始するように、動機付けしているか。
・部下の言い分を良く聴いているか
・ミスが起きた原因を解明しているか
・ミスが起きないような策を打ち出したか
部下を叱っている時に、叱る時間が長くなる管理者もいます。
これは説教で語っている話が良い話なので、話をしている本人が自己陶酔するので長くなるのです。
また、説教をしていても、どうも相手に届いていないようだということが薄々感じられるので、どうしても同じことを繰り返したり、だめ押しをしたなくなるので長くなるのです。
しかし、説教は、長くなるほど効果はないのです。
なぜなら、叱られている相手は、長く叱られた事で、失敗は償ったと受け取り、そのために失敗した事自体を忘れてしまうからです。
長くならないように心がけたいものです。
相手に何かを訴える時は、どんな話し方が効果的なのでしょうか
これは熱弁型や、演説型よりも、穏やかな話し方の方が、話の内容への理解度が高まると言われています。
怒鳴ったり、激しく叱ったりすれば、叱る本人はいい気持ちかもしれませんが、相手も大声で反論することになり、叱る効果は期待しにくいのです。
叱るときは、次のように考えましょう。
・本人の成長にプラスになるのか
・同じ失敗をしないことが、組織にとって重要かどうか
・部下が受け入れる叱り方になっているか
・重要でない事項であれば、多少の間違いは目をつぶる
・意識のたるみから来る失敗は小さな失敗でも叱る