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赤坂の社労士事務所

福岡市中央区赤坂の社労士事務所「赤坂経営労務事務所」の
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社会保険労務士法人赤坂経営労務事務所
代表社員 大澤 彰

甲社で起きた「びっくりする」事件・・・?

人事・労務

電話で見込み先を発掘し、担当者が訪問して営業を行う甲社で、社長が「びっくりする」事件が起きました。
朝10時になっても、自分の机に座ったままのA君に、その怠慢ぶりを指摘するため、上司が、
「何をしているか。やる気がないなら帰れ!」
と怒鳴ったところ、A君はそのまま帰ってしまったのです。

本当に「やる気」がなかったのでしょうか…?。
想像を絶する行為に、上司は慌ててA君宅を訪問したのですが、母親が出てきて謝るばかりで、本人は玄関にも顔を出しません。
そして翌日には、その母親を通じて「退職願」が届けられました。

その後、管理職会議で「従業員を知らなさ過ぎる」「現場管理者と従業員とのコミュニケーションに欠ける」という意見が多数出たため、その対策の一環として、甲社では課長が従業員を個別面談する方式を導入することにしたそうです。
従業員一人一人が何を考え、何に悩んでいるか、少なくとも部署の指導者はそれを把握しておく必要があるからです。
                                                        
面談を始めた当初は
・今まで気付かない問題が明らかになった
・幹部と従業員の精神的な距離が縮まった
・面談でストレスを発散できるせいか従業員が元気になった
など、前向きな報告がほとんどでした。

1対1の面談では会議などでは話せない「本音」が交換でき、コミュニケーションが深くなるからでしょう。
ところが、時間の経過に伴い、その個人面談が徐々に「形骸化」して行くケースが少なくありません。あるいは形骸化どころか、むしろ個人面談が逆効果になる時さえ出てくるというのです。
甲社では、最近、個人面談が、ある種のカウンセリング化してしまっているそうです。
もちろんそれは好ましいことのはずなのですが、
私はこんなところで、こんな仕事をしていて、本当に大丈夫なのでしょうか」などという場違いの相談を部下がするのを見て、「従業員の甘えを助長しているだけ」ではないか、と怒りを感じてしまう管理者が増えたといいます。
本来、従業員の個々の問題を発見したり、従業員が事業や業務をより深く理解したりするために行われるはずの個人面談で、なぜそうした「弊害」が目立つようになるのでしょうか。
学校や予備校の進路指導や就職斡旋などで、すでに「個別面談慣れ」している従業員と、
朝礼や会議で「1対多」の関係に慣れてしまっている経営者や管理者とのミスマッチが指摘されることもあります。
そんなミスマッチのために、特に「個別指導で何を狙い、何を実現するのか」が今一つ不明瞭なケースでは、面談慣れした従業員に面談者が引きずられてしまう形で、マイナス面がより強く出てしまうのです。

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